今、時代が、そして教育政策が大きく変わろうとしています。
そうした状況に流されることなく、常に変わらない人間と教育の本質をふまえて、教育活動をしていきましょう。
高校作文教育研究会2月例会
あけましておめでとうございます。
鶏鳴学園の中井です。
2月例会の案内をします。
今回は、清教学園の「探究科」の実践報告です。
すばらしい実践です。
この実践の中心で活躍した片岡則夫さんと山本志保さんが、自らの実践を語ってくれます。
またとない機会です。
実は、私(中井)は清教学園のこと、「探究科」のこと、それに関わっている片岡則夫さんや山本志保さんのことを知りませんでした。
昨年の夏の終わりに、兵庫の藤本英二さん(『聞かせて~な 仕事の話』など著書多数)からすばらしい実践が行われていると教えてもらいました。
そして、大いに驚き、嬉しかったのは、片岡さんが私の『脱マニュアル小論文』の読者だったことです。
以下、片岡さんからのメールの引用です。
「実は数年前に『脱マニュアル小論文』を読み連絡をとってみようかと考えた時期があったのです。
『「聞き書きの力」 表現指導の理論と実践』も手元にあります。
といいますのも、多くの小論文の類書のなかで、中井氏のみが生徒自らの足元を掘り下げる指導をされていたからです。
論文は結局はそこからしかはじまらない、という考え方に深く共感しておりました。
いま手元の『脱マニュアル…』を開きますと、
「無関係な題材を書くことを許容しながら、注意深く、本人の『覚悟』ができるのを待つことが肝心だ」(p.96)
に傍線が引いてあります。
テーマ探しそのものです。
手紙を書く,フィールドワークする、みなタラントンでもしてきたことです。
お会いできる機会があれば喜んで参上します。」(引用終わり)
同志と巡り合えることの喜びを、今回は強く感じました。
なお、清教学園の応援団として、藤本英二さんと教育学者の小笠原喜康さん(『大学生のためのレポート・論文術』などで有名。2月には講談社現代新書で『中高生からの論文入門』を片岡さんと共著で刊行)が参加されます。
みなさん、ぜひ、ぜひ、おいでください。
1 期 日 2019年2月17日(日)10:30~16:30
2 会 場 鶏鳴学園
〒113-0034 東京都文京区湯島1-3-6 Uビル7F
ホームページ https://www.keimei-kokugo.net/
※こちらで地図をご覧ください
3 報告内容
「探究科」9年間を振り返る
大阪府清教学園(中学・高校)片岡則夫、山本志保
大阪府河内長野市に清教学園(中学・高校)というキリスト教系の私立学校があります。
この清教学園の探求科の実践です。
大学との連携コースの1クラス40人(年度により2クラスの場合もあり)が対象で、高2、高3の2年間かけて入念な指導を行い、最終的に四万字(原稿用紙100枚)の卒論を書かせます。
目的は「生徒が主体的な学びを通じて、学問の世界に触れるとともに、自らの賜物(才能、個性)を見いだし生かす」。
自分の関心にそって各自がテーマを設定し、その問題を論じます。
そのテーマ設定にも、その調査にも、論文にまとめる際にも、丁寧な指導がなされています。
調査とは、文献調査であり、フィールドワークや取材(聞き書き)までを行います。
文献調査のためには、図書館が大きな役割を果たします。
これは2008年度から2016年度までの9年間行われた実践ですが、この間に、「図書館を使った調べる学習コンクール」で13作品が8年連続で入賞。
最高賞の文部大臣賞などを3人が受章。
こうした授業を組織する上での様々な問題をどうクリアーしていったのか。
一般に探究学習の課題とされてきたのは以下の4つですが、それにどう挑戦し、どこまでが解決できたのか。
1.テーマが決まらない。
→何度でも変更すればよく、いずれは決まる。
2.論文作成をどう指導するか。
→ピースを基礎とした論文デザインの指導をまとめた。
しかしピース作成時にコメントが書けない
3.資料が行き届かない。
→図書館の充実とレファレンスで解決。
4.やる気が出ない・論文に意義を見出せない・興味に正面から立ち向かえない。
この4点は、こうした実践をすれば必ずぶつかる難問です。
参加者同士で互いの悩みを出し合い、その克服の方法をご一緒に考えましょう。
参加希望者には、あらかじめ資料などをお送りします。
それらに目を通してから参加してください。
(中井記)
4 参加費 1,500円(会員無料)
参加をご希望の方は、下記、お問い合わせフォームにて、開催日の一週間前までにお申し込みください。
https://keimei-kokugo.sakura.ne.jp/sakubun-contact/postmail.html